こんにちは。そらまめです。
JR東日本が持っている電車の側面下の方に番号が書いてあるのを見たことありますか?
鉄道ファンには常識かもしれないこの番号ですが、謎のカタカナとアルファベットと数字の番号で、一体何なのか見ただけではわかりませんよね。
実はこれ、その車両がどんな機能でどんな装備がされていているか等を表した、車両の形式番号なのです。
形式番号は全ての文字に意味があるので、1文字ずつ説明をしていきます。
※この形式番号はJR東日本の電車限定で、私鉄や地下鉄、他JRの車両とは異なります。
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車両の形式番号とは
形式番号とは車両を区別するためにつけられた番号のことで、こういう番号のことです。
前2文字がカタカナ(3文字もある)
3文字目がアルファベット
4~6文字目が数字
ハイフンがあって
最後が数字(桁数は車両による)
これらはただの連番ではなく、それぞれの文字に意味があります。
形式番号の概要
各詳細は後述しますが、各文字・数字が何を表しているのか。
下記のようになっています。
- 1文字目(カタカナ) :種類(運転機能)
- 2文字目(カタカナ) :用途(車内の設備)
- 3文字目(アルファベット):JR東日本
- 4文字目(数字) :電気の方式
- 5文字目(数字) :使用の用途
- 6文字目(数字) :登場順の番号
- ハイフン以降(数字) :製造番号
形式番号の位置
では、その形式番号はどこにあるか。
形式番号は車両の側面、下の方に書いてあります。
この窓の下にある番号ですね。
各車両の側面には必ず1か所は形式番号が書かれています。
このカタカナ、アルファベット、数値混合の形式番号が使われているのは在来線の車両だけで、
新幹線にも形式はありますが、少し表現が違うので今回は対象外とします。
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形式番号の説明
では形式番号の各文字が何を表しているのかを見ていきましょう。
1文字目:車両の種類(運転機能)
クハE233-24
最初の1文字目、これが表しているのは車両の種類です。
「ク」のほかに、「モ」と「サ」があります。
- ク:運転台付きの車両(制御車)
- モ:動力装置(モーター)はあるけど運転台はない車両(電動車)
- サ:運転台も動力装置もない車両(不随車)
簡単にいうと、
先頭車両等の運転台のある車両が「ク」、
動力(モーター)のある車両が「モ」、
運転台も動力(モーター)もない引っ張られているだけの車両が「サ」
ということになります。
(図解)
わかりやすくするため車両の下に動力装置(モーター)を書きましたが、車両の下についている装置が全て動力装置ではないのでご注意ください。
「ク」は運転台が付いている車両なので、先頭と末尾の車両だけではありません。
連結している場合は、途中にも「ク」の車両がいることもありますね。
また、中には運転台も動力装置も両方ついている車両もあり、それは「クモ」といいます。
青梅鉄道公園で撮ったクモハ40054
2文字目:用途(車内の設備)
クハE233-24
2文字目のカタカナ、これが表しているのはその車両の車内用途(車内の設備)です。
「ハ」と「ロ」があります。
- ハ:普通車
- ロ:グリーン車
正確には「ハ」「ロ」以外にも、
「ロネ」寝台車、「シ」食堂車、「ニ」荷物車などがありますが、
今現在の在来線では普通車とグリーン車以外は殆どない(というより全くない)ので、「ハ」「ロ」だけを書いておきます。
ちなみに「ニ:荷物車」は貨物車のことではありません。
貨物列車はまた別の文字が使われていますが長くなるので今回は省略します。
3文字目:JR東日本の”E”
クハE233-24
3文字目のE。これはどの形式にも共通していて、「E」が使われています。
これはその車両がJR東日本所属の車両であることを表す文字で、EastのEです。
どの車両にも使われている、と書きましたが、「E」がついた形式は国鉄から民営化してJR東日本になった以降に造られた車両からなので、国鉄時代からある古い車両はEが付いていません。
また、民営化後~1990年代前半に造られた車両にもまだEがついていないようなので、
とりあえず古い車両はEがない形式と思って良さそうです。
例えば、現在の武蔵野線でも活躍している205系は形式にEが付いていません。
モハ204-5020
204と書いてありますが、205系です。この話は長くなるので別の機会に・・
4文字目:電気の方式
クハE233-24
4文字目の数字。
これは電気の方式、つまり電気が直流が交流かを表しています。
1~9まであり、直流、交流、交直流(両方対応可)、試作車に分かれています。
- 1~3:直流
- 4~6:交直流
- 7~8:交流
- 9 :試作車
都内を走る電車は常磐線の一部車両を除き、全て直流です。
こちらが常磐線の交直流の車両、E531系。
東京は直流がほとんどですが、東北や九州の方は交流の電車が多いそうですよ。
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5文字目:使用の用途
クハE233-24
5文字目の数字、これはその車両の使用用途を表しています。
0~9まであり、「一般形(通勤/近郊形)」「事業用」「特急・急行形」「特殊車」に分かれています。
- 0~3:通勤近郊形
- 4 :事業用
- 5~8:特急・急行形
- 9 :特殊車
そらまめたちが普段良く見るのは0~3の通勤近郊形ですね。
いわゆる一般的な普通電車はこの0~3が使われます。
4と9は試作車やEast i(E491系)等の一般の乗客は乗せない事業用車両に使われています。
そらまめ偶然出会ったことがあるEast i-E。E491系
こちらは特急E353
6文字目:登場順の番号
クハE233-24
6文字目の数字は、その形式のシリーズが登場した順番に振られる番号です。
頭のカタカナは含めず、E〇〇の何番目の形式という意味になります。
そしてこの番号、必ず奇数の数字が使われています。
何故奇数が使われているかは、国鉄時代からの名残のようで詳細は良くわかりませんが、今でも必ず奇数の数字になっています。
この奇数の番号が親番号となり、-1した偶数の番号がその仲間という扱いになります。
例えばこの車両、クハE232-5005。
これはE232と書かれていますが、E233系の形式になります。
こちらの車両はクハE233-24。
そのままE233系の形式というのがわかります。
ハイフン以降:製造番号
クハE233–24
最後のハイフン以降の数字は、そのまま車両の製造番号になります。
その形式の車両が作られた順番に1,2,3・・・と番号がふられるので、番号が若いほど作られた順番が早い車両ということになります。
また、仕様等の違いによって形式内での区別をする為に番台を使うこともあります。
番台が付くと、100番台なら101、1000番台なら1001というようになります。
この車両で言うと、E232系の5000番台の5番目に造られた車両ということですね。
おわりに
普段何気なく目にするけど、どういう意味があるかまではわからなかった謎の番号も、見方がわかるとおもしろいですね。
その車両がどんな設備でどんな使われ方をしているのかまでが文字だけでわかるので、
是非みなさんも電車に乗る時は形式番号にも注目してみてくださいね。
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