こんにちは。そらまめです。
年末の12月29日に葛西にある地下鉄博物館(ちかはく)に行って、
日本最初の地下鉄車両1000形の1001号車、車内特別公開を見てきました。
今日はその車内特別公開で見てきて1001号車についてと、
この1001号車をモチーフにした現在運行している銀座線の特別仕様車についてをお話します。
日本初の地下鉄車両1001号車とは
1001号車とは、90年以上前の1927年12月30日に上野~浅草間で開業した銀座線の車両です。
日本で最初の地下鉄車両です。
2017年8月に機械遺産に認定、同年9月に国の重要文化財の指定を受けました。
1001号車は以前からこの地下鉄博物館内に展示してあり車内の見学もできましたが、重要文化財に指定されたので、文化財保護の為現在は車内見学は出来なくなっています。
外から車内を覗くことはできますが、車内に入ることが不可となてしまったのです。
通常はここから中を覗くまでしかできません。
ですが、先日の2018年12月29日の1日間だけ、1001号車の車内の特別公開が行われました。
1001号車車両について
材質は鋼
電車は全鋼鉄製。鉄で出来ています。
当時の車両は多くの部分が木製で作られており、第二次世界大戦の前までは木製車両が主流でしたが、
この1000形は地下を走行するので、安全対策と不燃化の為に全鋼鉄製で作られています。
日本初の打子式ATS
1000形は日本で初めて打子式(うちこしき)ATS(自動列車停止装置)を採用した車両です。
地上部の「打子」と車両の「突当り弁」によって非常ブレーキを作動されます。
赤信号の場合は線路脇の「打子」が立ち上がり、列車が信号を無視して通過しようとすると「打子」が車両の「突当り弁」に当たり、弁が開いてブレーキ間の空気が抜けて非常ブレーキがかかる仕組みです。
とても単純な仕組みですが安全性が高い為、割と最近までこの打子式ATS使用されていました。
銀座線では93年7月まで、丸ノ内線では98年3月まで打子式ATSだったようです。
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1001号車車内について
火災対策と車内装飾
車体同様火災対策の為、車内も難燃化が図られており安全対策も考慮された作りになっています。
内張りも鉄板などの金属で難燃性の高い材料を使用してますが、
冷たさを和らげるように、温かみのある木目塗装がされています。
たしかに車内に入ると、レトロな木製車両のような雰囲気で無機質な感じはしません。
そこまで考えられているんですね。
また当時としては珍しく、機械開閉つまり自動ドアで、車掌がスイッチで開閉していました。
これが車掌スイッチ。これを操作してドアの開け閉めをしていました。
客室灯りとつり革
客室灯は地下で暗い為、間接照明で光を直接目に入れないようにし、影ができないようにしているそうです。
この窓の上にあるのが照明で、上向きに光を当てていますね。
また吊り革も走行中に左右に揺れないように、ソコ式とよばれるバネで、持ち手があがるものを採用していました。これにより車内を広く見せる効果もあったようです。
古い車両だから技術的に難しいとかで間接照明であったり、固定された吊り革なのかと思っていましたが、ちゃんと乗る人のことまでしっかり考えられているんですね。
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予備灯
電気を供給する第三軌条は分岐器などに切れ目があり、そこを通過する際は電気が流れないので照明が消えていました。
代わりの予備灯は照明が消えた際にバッテリーで点灯するようになっていました。
現在の車両では、全ての車両がケーブルでつながれて電気を供給している為、第三軌条の路線でも途中で照明が消えるということはありません。
この予備灯お洒落でいいですよね。車内インテリアとしても雰囲気が出ていてそらまめはすごく好きです。
↓ちかはくのその他の展示はこちらをどうぞ↓
葛西の地下鉄博物館。入場料が安くて中は充実!大人も子どもも楽しめる鉄道博物館
特別公開は1日のみだけど・・
1日だけの限定公開だったので、1000形1001号車の車内を見れた人はそんなに多くないかと思います。
ですが今は多くの人が1001号車と似た雰囲気の車内を味わうことができるのです。
そうです、2年程前から銀座線で走っている特別仕様車。
これがまさにこの1000形1001号車をモデルとした内装になっていて、1001号車車内と同じ雰囲気を走っている電車で味わうことができるのです。
銀座線特別仕様車
2017年1月運行している銀座線。
開通当時の1000形をモチーフに、1000系(現行の銀座線)の外装内装を変更しています。
全40編成中、2編成のみです。
編成のうち1車両が特別仕様ではなく、編成(1本)全部が特別仕様になっています。
運行スケジュール
銀座線は他路線と違い他車線と乗り入れておらず、日中は渋谷と浅草を行ったり来たりしていて走行区間が長くないので1~2時間待っていれば会えると思いますが、
この特別仕様車の運行スケジュールは決まっておらず、通常ダイヤの中に普通の1000系と混ざって走っている為、いつどの駅にくるかはその日にならないとわかりません。
また、特別仕様車が車庫に入っていることもあるので
その日に全く特別仕様車が走っていない、ということもあるのでご注意ください。
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通常電車と特別仕様の違い(外装)
遠くからぱっと見では同じように見えますが、
通常の銀座線(1000系)と特別仕様(1000形モチーフ)の違いは
前照灯が通常は2灯なのに対し、特別は1灯。
また、全面と側面も1000形を模したデザインになっており、特別の色は1000形に近いレモンイエロー。
メトロのロゴマークも当時の東京地下鉄道株式会社のシンボルマークに変わっています。
写真では下部しか映っていませんが、上部の通常メトロマークのある位置のマークも変わっています。
通常電車と特別仕様の違い(内装)
内装も勿論1000形にあわせて木目調となっていて、手すりも真鍮の色と風合いになっています。
シートだってもちろん緑色。吊り革も当時を模した涙模様の形になっています。
手前の高い位置の吊り革は変わっていませんが、シート前の吊り革は涙型です。
製造者銘板、車号銘板もレトロに。
予備灯も設置してあります。予備灯はイベント時のみの点灯だそうです。
またドアのステッカーやケータイOFFの注意喚起ステッカー以外は使用されておらず、車内広告(ドア横や中吊り等)が一切なく、
極力当時の1000形を再現しています。
ただしドア上の案内広告のLCDは通常通りです。さすがにこれまでないと困っちゃいますね。
ただあまりにも現代風とはかけ離れた内装なので、知らずに乗った人はいきなりレトロな車両でびっくりするかもしれません。
ちなみにこの連結部扉の可愛い模様は通常の銀座線にもあるものです。
地下鉄なのに?銀座線の踏切が上野にある!場所はどこ?電車はいつ通る?
おわりに
とてもレトロで雰囲気のある銀座線特別仕様車。
それのモデルとなった歴史ある1000形の1001号車。
どちらも車内を見て、乗って雰囲気を味わってきました。
現代と全く違う車内だけど、逆にレトロお洒落な感じで今でも十分に通用する電車だと思いました。
地下鉄博物館の1001号車車内特別公開は次いつやるかはわかりませんが、
銀座線特別仕様車はまだしばらくは走っていると思うので、是非一度銀座線で1000形の車内の雰囲気を味わってみてくださいね。
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