こんにちは。そらまめです。
今日はSL(蒸気機関車)の形式についてのお話です。
有名なのはデゴイチ(D51)だけど、そもそもDってなに?他にはどんな形式があるの?など。
蒸気機関車正面のナンバープレートに注目して、それぞれの形式を探っていきます。
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SLの代名詞D51
SLの形式とは『D51』のようなものを指し、一言でいうと車両の型番のことです。
日本で最も有名なのはデゴイチの愛称で親しまれているD51ですね。都内の公園には多くのSLが展示保存されていますが、その19箇所にある保存車両のうちの半分がD51なのです。
何故D51がこんなにもたくさん残っていて有名なのかというと、D51形は日本の機関車で最も多く製造されたタイプで、1936~1950年にかけて1115両ものD51が造られました。そのため現在でも残されている車両数も多いのでしょうね。
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SLの形式
SLを見ていると、どのSLにも正面に四角いナンバープレートが付いています。
これですね。[D51452]
青梅鉄道博物館のD51452
この数字と記号が何を表しているか、どんな意味があるのかというと、これは機関車のタイプ、型(動軸の数)、製造番号、を表しているのです。
D51 452を例に、具体的に見ていきましょう。
型(動軸の数)
まずはD51 452のDにあたる部分です。(画像の赤線)
デゴイチが有名だからSLはみんなD〇〇~と思っている人もいるかもしれませんが、実は違うんです。
このアルファベットはB~Eまであるんです。
そしてそれぞれのアルファベットが表しているものは、動軸の数です。動軸とは車輪を取り付けている軸のことです。
B~Eまで型があって、その型によって動軸が何本かが決まっているのです。
動軸が1本の車両はありえないのでA型はありません。
型 | 動軸の数 |
B | 2 |
C | 3 |
D | 4 |
E | 5 |
このアルファベットと動軸の関係を知っていれば、横から見た時の車輪の数で、そのSLがどの型なのかがわかります。
これはD51452なので、車輪が4つありますね。片側車輪が4つ=動軸が4本なので、D型ということがわかります。
こちらは車輪が5つ!
なのでE型ですね。青梅鉄道博物館にあるE102です。
こちらは車輪が3つ!
なのでC型。青梅鉄道公園のC111です。
こちらは珍しいB型。青梅鉄道公園の5540。
車輪が2つしかありませんね。型としてはB型はありますが、車両の形式名としてはB〇〇とは呼ばれておらずこのB型も正式な車両形式は5500形となっています。
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機関車のタイプ
次にD51 452の51にあたる部分です。(画像の青線)
この51が何かというと、機関車のタイプを表しています。タイプを表す番号は10~99まであり、番号によって2つの機関車タイプに分けられます。
番号 | 機関車のタイプ |
10~49 | タンク機関車 |
50~99 | テンダー機関車 |
10~49 タンク機関車 :機関車本体に石炭と水を積んでいる機関車
50~99 テンダー機関車:機関車本体の後ろに、石炭と水を積むテンダーを別で連結する形の機関車
つまり燃料をどこに積んでいるかの違いなんですね。
これはD51のテンダー車。機関車の後ろにこういう車両がくっついています。
対して、こちらはE10のタンク式。
後ろにテンダー車はついていません。写真ではわかりにくいですが・・
テンダー式の機関車は機関車とは別で石炭と水を積む分、積める容量も大きくなるので、長距離運転用として使われていたそうです。
わかりやすい例として機関車トーマスでいうと、トーマスがタンク機関車、ゴードンがテンダー機関車です。
ちなみにこの数字までを含めたD51が形式なので、D51形式の次に出来た形式はD52、次はD53・・と採番されてつけられました。
製造番号
最後にD51 452の452にあたる部分です。(画像の緑線)
この番号は単純に製造番号を表しているので、番号が若いほど先に造られた車両ということになります。
例えばこのD51452は、D51形式の車両で452番目に造られたものということになります。
このC111は、C11形式の一番最初に造られた車両ってことですね。
このようにSL正面のナンバープレートは形式や製造番号を表していて、SLの識別番号として使われていました。ナンバープレートだけでもその車両の情報が見えてきて、どんな車両かがわかるのは面白いですね。
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現在の機関車の形式
『蒸気機関車』は今は日常的に使われる列車ではなくなりました。
でも、『機関車』は今もまだ現役で走っています。機関車とは、「客車や貨車を引っ張って走る車両」のことだからです。
そらまめ達が普段目にする電車は機関車ではありませんが、例えば貨物列車なんかの先頭車は機関車ですね。
この今現在使用されている機関車(電気・ディーゼル)でも、SLと同じような形式の付け方になっていますが、型を表すアルファベットの前に、電気またはディーゼルを表すアルファベットが追加されています。
型
型は3種類。電気機関車、ディーゼル機関車、ハイブリット機関車の3つです。
それぞれの型は頭文字をとってつけられています。
型 | タイプ |
E | 電気機関車 |
D | ディーゼル機関車 |
H | ハイブリット機関車 |
電気機関車はElectricの頭文字をとって、E〇 〇〇
ディーゼル機関車はDieselの頭文字Dをとって、D〇 〇〇
電気とディーゼルのハイブリット機関車は、HybridのHが頭について、H〇 〇〇
という形式名になっています。
また、動軸の数で決まる型ですが、SLは動軸が2~5のB~E型までしかありませんでしたが、現在の機関車はさらに動力が高いものになっている為、H型(動軸8本)まで出てきています。
これはEH500、電気機関車で動軸8本の車両ですね。貨物を引っ張ってます。ちなみにこの車両の愛称は『ECO-POWER 金太郎』。今の主力機関車の一つです。
こちらはDE101704。
ディーゼル機関車です。動軸は5本。
こちらはEF651104。
電気機関車の動軸6本です。
機関車のタイプ
アルファベットの後ろの数字は、SLと同じく機関車のタイプを表しています。
電気機関車の場合は、直流電気なのか、交流電気なのかによって番号が振り分けられています。
ディーゼル機関車の場合は、車両の出せる速度によって番号が振り分けられています。
ここは複雑な上、話が長くなってしまうのでまた別の機会に書きたいと思います!(そらまめもまだよくわかってないとは言えない・・)
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おわりに
「SL」や「車両」と一言で言っても、その型も違えば性能、用途も様々です。
今まではただの飾り程度にしか見ていなかったナンバープレートも、数字やアルファベットから、そのSLがいつ頃、どのような用途で造られたものなのかを知ることができれば、また違った見方が出来るようになるかもしれませんね。
各地で展示保存されているSLや、観光列車として走っているSLを見かけたら是非、その正面に掲げられているナンバーにも注目してみてくださいね。
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コメント
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