【中央線の歴史】長い直線が特徴的な人気路線。休日ダイヤにグリーン車、これからの中央線。

こんにちは。そらまめです。

そらまめもよく乗るオレンジ色の中央線。沿線には独特の文化もある人気路線の1つですね。

中央線って地図で見るとぴしっと真っすぐなんです。こんな直線区間のある路線、都内に限らず日本全国でも結構珍しいんですよ。

今日はそんな直線の秘密も含めて、その中央線の歴史を見ていきたいと思います。

中央線=中央本線だと東京から名古屋までのことを指しますが、今回は中央線=中央線快速(東京~高尾)に限定したお話です。


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中央線の歴史概要

まずは簡単に中央線の歴史の概要です。

※「中央線について」は加筆する予定です

甲武鉄道会社線新宿~立川開業

1889年(明治22年)4月 甲武鉄道会社線新宿~立川間が開業。

甲武鉄道は国鉄以前にあった鉄道会社で、この甲武鉄道の路線が現在の中央本線の大元となっています。

 

開業の少し前1870年、玉川上水の船運が開始され多くの船が行き来しはじめ大規模な輸送ルートが確立されました。しかし水路の汚染問題などから、たった2年で船運は禁止に。

その代わりとして堤防沿いに鉄道(当初は馬車鉄道)を走らせようとしたことが甲武鉄道会社、現在の中央線の始まりなのです。

 

開通した当時の新宿~立川間の所要時間は約1時間だそう。現在の中央線快速でも新宿から立川までは約40分ほどかかるので、今とそんなに変わらないですね。

立川~八王子間開業

新宿~立川間が開業した4か月後の8月には立川~八王子間が開業。新宿~八王子までが一気に繋がりました。その後も続々と駅が開業。それに伴い、線路も延伸していきます。

中央線の駅のできた順序

駅名開業年月日備考
新宿1885年(明治18年)3月1日日本鉄道の「内藤新宿駅」として開業
立川1889年(明治22年)4月11日
中野1889年(明治22年)4月11日
武蔵境1889年(明治22年)4月11日
国分寺1889年(明治22年)4月11日
八王子1889年(明治22年)8月11日
日野1890年(明治23年)1月6日
荻窪1891年(明治24年)12月21日
四ツ谷1894年(明治27年)10月9日
吉祥寺1899年(明治32年)12月30日
豊田1901年(明治34年)2月22日
高尾1901年(明治34年)8月1日官設鉄道浅川駅として開業
御茶ノ水1904年(明治37年)12月31日
東京1914年(大正3年)12月20日新橋~上野を結ぶ新線の駅として開業
神田1919年(大正8年)3月1日
高円寺1922年(大正11年)7月15日
阿佐ケ谷1922年(大正11年)7月15日
西荻窪1922年(大正11年)7月15日
武蔵小金井1926年(大正15年)1月15日
国立1926年(大正15年)4月1日谷保信号所として開設、後に駅に昇格
三鷹1930年(昭和5年)6月25日三鷹信号場として開設、後に駅に昇格
西八王子1939年(昭和14年)4月1日
東小金井1964年(昭和39年)9月10日
西国分寺1973年(昭和48年)4月1日

今現在の中央線の駅全てが揃うまでに、約100年もかかっているんですね。

そして一番新しい駅の西国分寺が出来て以降約50年、駅は増えることなくこのままの形を保っています。豊田~八王子間に新駅を!という運動が長らくありましたが、費用や利用者数などの理由から断念されたそうです。


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日本初の「電車」運行開始

1904年(明治37年)になると、既に開業していた区間で日本で初めての「電車」の運行が開始されます。

その区間は飯田町(現在の飯田橋駅付近に存在した駅)~中野間。それまでは蒸気機関車のみが走っていましたが、複線化して電車が併用されるようになったのです。

同年には飯田町から御茶ノ水まで電車線が延びています。

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国鉄の誕生

その後1906年3月には鉄道国有法公布が発令され鉄道は国有化、つまり国鉄が誕生しました。

この時点ではまだ「中央線」という名前はつけられておらず、1909年になってこの時点で繋がっていた昌平橋(東京側の一番端の駅)~塩尻~篠ノ井駅間が「中央東線」という名称となり、1911年に昌平橋~塩尻~名古屋駅までが「中央本線」呼ばれるようになったのです。

 

昌平橋駅と万世橋駅間が1912年(大正元年)、万世橋駅と東京駅間が開業したのは1919年(大正8年)、ここでようやく現在の東京~高尾の中央線に近い路線が出来上がったのです。

▶万世橋駅についての記事はこちら

女性専用車両(婦人子供専用車)

余談ですが、今は首都圏の路線ならどこにでもある「女性専用車両」。

実は1947年には「婦人子供専用車」というものが設置されていたのです。他の路線に先駆けて中央線に導入された「婦人子供専用車」、1973年には廃止されますが、2005年には再び女性専用車両が設定されました。


中央線130周年記念展示の展示品より

軽く調べただけですが、当時も今も同じような理由で設置されているのですね。

中央線に限らず老若男女、誰もが安心して乗れる電車であってほしいです。

高架化

電車が走るようになった中央線ですが、電車の本数が多かった為、踏切は開かずの踏切で線路を挟んで町が分断されている状態でした。中野~三鷹間には環八や環七といった大きな主要道路がありますから、開かずの踏切は大問題ですよね。

それを解消する為、1960年代に中野~三鷹間の高架複々線化工事が始まりました。

中野~三鷹間といっても荻窪駅だけは今現在も高架化していませんが(その理由はいろいろ説があるそうです)、駅近辺の踏切は廃止されています。

 

その後、一気に現代の話に飛びますが、三鷹~立川間の中央線高架化の工事が始まったのが1999年。2010年に高架化が完了して、東京~立川間は踏切が1つもなくなりました。

開かずの踏切も解消され、スムーズな路線に生まれ変わったのです。

高架下にはお店やこういった公園等が出来ています

 

高架化前は人身事故も多く朝夕は遅延ばかりでしたが、高架化してからはそれもだいぶ減ったように感じます。ただ高架化したことによって歴史ある駅舎の建て替えも行われるなど残念な面もありましたが・・

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長い直線区間のある中央線

中央線と言えば、東中野~立川間が定規で線を引いたかのように真っすぐというのも特徴の一つです。都内を走る路線でこれだけ真っすぐな路線は珍しいですよね。

この中央線の真っすぐさも、中央線の歴史を辿ると理由が見えてきます。

真っすぐな理由

元々中央線(甲武鉄道会社線)は街道沿いに敷設される計画でした。新宿付近から西側へ行く街道と言えば甲州街道と青梅街道。

しかし甲州街道側も青梅街道側も、地元住民の反対によりその案は立ち消えに・・

 

ですが、そこで鉄道建設を反対せずむしろ誘致した地域があり、それが国分寺や立川あたりの武蔵野の人たちだったそう。

その結果、街道も川も関係ない田園と森林を突っ切る形の最短ルート一直線の鉄道が出来たのです。(誘致云々ではなく、当時開拓中だったエリアだから突っ切ってしまえ!で決められたという説もあるようです)

 

ちなみにこういった鉄道の直線区間で最も長いのは、新幹線を除くと

  • 1位 室蘭本線:白老~沼ノ端 28.736km
  • 2位 函館本線:光珠内~滝川
  • 3位 中央本線:東中野~立川 約27km

となっていて、一位二位の北海道の次に都内の路線が入っているというのは改めて見ると、すごいことですね。

停車駅の理由(休日平日ダイヤ)

中央線に乗ったのに目的の駅を通り過ぎてしまう・・という、うっかりトラップにひっかかったことがある方も多いのではないでしょうか。

「間違えて特快(中央特快)乗っちゃった!」というのもありますが、特快以外にも駅を飛ばすダイヤというのが存在するのです。

それが「休日平日ダイヤ」

休日ダイヤ

カレンダーで休日扱いになっている日に中央線に乗ると

「休日ダイヤの為、西荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺には停車しません」

というアナウンスが流れてきます。

特別快速だからではありません、種別は同じ「快速」で。なのに停まる駅が休日と平日で違うのです。

 

休日に中央線が止まらない西荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺の人はどうするの?と思いますが、中央線と並走している総武線(中央・総武線各停)が停まるので、休日はそっちを使ってねということなのです。

休日停車しないその3駅の中央線ホームは、休日の間は閉鎖されます。

電気も消されて誰もいないホームはちょっと怖い感じもします。この止まらない3駅は全て杉並区にあることから、杉並3駅問題とも呼ばれています。

杉並3駅問題

中央線ユーザーでも、杉並3駅問題は意見が分かれるところだと思いますが、そもそも何でこんな休日平日ダイヤが出来たのか。

1960年代には、中野から西側の線路が相次いで複々線化していますが、その時にこの杉並3駅には快速は停車しない予定だったそうです。

ですが地元住民、用地を提供した杉並区は大反対。結果として「複々線化後も杉並3駅には停車する」こととなったのです。

 

この3駅を飛ばすには乗り換えの問題などがネックとなる為、そう簡単に快速で杉並3駅飛ばすようにはできないのが現状ですが、今後中央線にもグリーン車が導入されたりといろいろ変わっていくので、いずれは飛ばされるようになる・・可能性もないとは言い切れないですね。


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中央線の今後

高架化も完了し駅周辺の再開発もどんどん進んで、より一層人気になっている中央線。

車両はここ何年も大きく変化していませんでしたが、今まさに新たな動きが起きている最中です。一番大きいのは中央線グリーン車導入でしょうか。

導入時期は2023年末予定なので今はまだ準備段階といった感じですが、既に様々な変化が見て取れるようになっています。

グリーン車導入

中央線にグリーン車が導入されるのは2023年末の予定。

イメージ図を見ると、グリーン車は他路線で走っているのと同じような形のようです。


常磐線のグリーン車。中央線グリーン車もこんなイメージでしょうか

本当は2020年度にグリーン車導入を目指していましたが、バリアフリー工事やその他施策との兼ね合いで2023年度に延期になったそうです。

 

グリーン車が走る区間は、東京~大月と青梅線内の立川~青梅の間。

そらまめ個人的には、東京~高尾間でも1時間ちょっとなのでグリーン車乗ることはないかな・・と思いますが、大月や青梅までとなると結構時間がかかるので、その区間乗る方にとってはグリーン車は有難いのかもしれませんね。後は通勤時間にゆったり座りたい方とか。

ホーム延伸

中央線は現在全てが10両編成で走っていますが、グリーン車が導入されると12両編成になります。

今のままではホームの長さが足りなくなる駅も出てくるのです。その為、各駅でホームの延伸工事が行われています。

 

これは吉祥寺駅。まだ工事中です。

こちらは阿佐ヶ谷駅。ほぼ出来上がっていますね。

まだ工事が始まっていない駅もありますが、グリーン車がデビューするまでには全駅ホームが12両対応可能なホームになるので、どんな風に変わっていくか楽しみですね。

車両にトイレ設置

グリーン車導入に併せて、今走っている車両にトイレが設置され始めました。

一般的に短距離の電車にはトイレはついていませんが(山手線など)、中央線は大月やもっと先の河口湖まで行くダイヤもあるからでしょうか。

トイレが設置されているのは4号車で、元々普通の座席があった場所がトイレになったので窓もそのままですが封鎖されていて中は見えなくなっています(当たり前)

こんな感じですね。ここがトイレになった場所です。

 

中央線は割といつでも混雑してるので、トイレがあってもそこまでたどり着くのが大変そうであんまり使われなさそうだなと思ってますが、実際どうなんでしょうね。


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おわりに

130年程前に作られ、今でも愛される路線として大活躍している中央線

たくさんの人が使う路線故に遅延や事故も多く、一時期はあんまり良いイメージを持たれていなかったかもしれませんが、現在はどの駅も綺麗で運行もわりとスムーズでとても良い路線だとそらまめは思っています。

今回は書きませんでしたが、中央線沿線の街には独特の文化もあり、鉄道には詳しくないけど「中央線」のことは知っているという人が多いのも特徴の1つかもしれませんね。

グリーン車導入やホーム延伸、今後は新型車両の導入もあるかもしれません。車両も駅も街もどんな風に変わっていくのか、これからを楽しみにしながら乗り続けたい路線です。

ちなみにこの記事をアップした本日4月11日は中央線開業記念日です。

▶中央線130周年開業記念についての記事はこちら

 

コメント

  1. […] ちなみに東北新幹線の白石蔵王駅~仙台駅までは線路が直線で25.7kmありますが、これは線路の直線区間では日本一の長さ※となっています。※駅や分岐器等による微妙な曲線がない、純粋な線路の直線距離では日本最長。地図上の直線距離では室蘭本線が1位です。 […]

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